KAYAC DESIGNER'S BLOG

面白法人カヤック意匠部(デザイナー)による、デザインのよもやま話。

デザイナーの思想を共有するためのツールとしての「行動指針」

面白法人カヤックで「Lobi」のデザイナーをしているバッコです。

Lobiは今年で7年目を迎えるサービスなのですが、 サービスが長く続いていると、デザイナーの入れ替わりも発生するもので、 かく言う僕もLobiの5代目くらいのデザイナーです。

入れ替わりの際に、業務内容やファイルの場所など、表面的な内容であれば引き継がれるものですが、 その人の仕事の背景にあった思想のようなものは、それなりの期間一緒に仕事をしないと見えてこないので、 デザイナーが入れ替わる度にリセットされてしまうように思います。

そこで、作業の背後にある「思想」を共有していくためのツールとして、 Lobiでは以下のような「Lobiデザイナーの行動指針」というものを作ってみました。

以下、

  • ミッション(使命)
  • ビジョン(使命を成すためにあるべき姿)
  • バリュー(ビジョンに向けた行動指針)

の3つで構成されています。

ミッション

  • Lobiユーザーに価値を届け続ける

ビジョン

  • Lobiユーザーの代弁者

バリュー

1.ユーザーファースト

1-1.ユーザーを知るための努力をする

  • ユーザーに価値を届けるには、何を求めているか知ることから。
  • 定性・定量でユーザー調査をし、ペルソナをアップデートし続ける。

1-2.迷ったらペルソナに聞く

  • ペルソナがあっても使わなければ意味がない。
  • すべての施策においてペルソナを判断基準におく。
  • 情報構造的に正しい見せ方と、ペルソナの利用体験に基いた見せ方では、あるべき姿が異なることがある。

1-3.価値を判断するのはユーザー

  • デザインの価値を判断するのはデザイナーではなくユーザー。
  • デザイナーは付加価値をあげる手段そのもの(見映えの良さ、ガイドライン準拠、論理的整合性)に価値を感じてしまいがちだが、それがユーザーが感じる価値に直結する訳ではない。

1-4.ユーザーをひとりの生活者として見る

  • ユーザーのことを「自社サービスを使うだけの都合の良い存在」として考えない。
  • 普段の生活があって様々な体験をする中にたまたま自社サービスがある。そういう捉え方をするためにペルソナが必要となる。

2.チームで成果を出す

2-1.チームで働く

  • 個人プレイをしない。ヒーローになろうとしない。
  • 広く意見を集め、なるべく多くの選択肢を検討し、よく相談した上で、なるべく最善の手段を選ぶ。

2-2.反対意見・議論を歓迎する

  • 意見の衝突は、よりよい案が生まれるためのチャンス。自分が見落としていた視点が得られる機会。
  • 頭ごなしに否定せずに、あらゆる意見を受け入れ、まずは一旦理解につとめる。

2-3.中立でいる

  • 自分の意見に固執しない、ユーザーやお偉いさんの一言にもなびかない。
  • それぞれの意見の意図するところをしっかりと理解した上で、目的を達成するためにはどうすべきかを検討する。

2-4.わかったふりをしない

  • 人の話をきくときは意識してバカになる。わからないことは何でも素直に聞く。
  • 自分で理解して腹落ちしていない情報を判断材料として扱わない。

2-5.話を前に進めるための議論をする

  • 「どちらの意見が正しいか」「だれのせいか」そういうことの議論に時間をつかわない、使わせない。
  • 「正論を並べて自分の正しさをアピールすること」が目的になっていないか、「理屈として正しいことが何か」を議論していないか、大事なのは話を前に進めるために何ができるか、何をすべきか。

2-6.すべてのMTGにゴールとアジェンダを設定する

  • ゴールのないMTGは、そもそもやる意味がない可能性がある
  • アジェンダのないMTGは、やる前とやった後で何も状況が変わらない可能性がある

2-7.必ず振り返る

  • 施策はすべて「仮説検証」。絶対に正しいと思えるような改修も、思わぬ結果を招くことがある。
  • 見込みが外れたとしても学びを得て次の施策に活かせるよう設計する。

3.デザイン思考

3-1.ものごとを可視化することで、事業を促進する

  • デザイナーの役割の1つはものごとを可視化すること。
  • 議論の対象を可視化し、正しいことを正しく進めることに貢献する。

3-2.目的から考える

  • 本当に取り組むべき課題を見つけ、本当に取るべき手段を実施する。
  • 局所的な「正しさ」に固執せず、目的を達成することにこそこだわる。つくること自体を目的にせず、その先にある目的にこそ目を向ける。思いつきの課題や解決策に飛びつかず、選択肢を広げてから最適なものを選ぶ。

3-3.「つくる」前にこそ注力する

  • 何をつくるか決まった時点でほぼ勝負はついている。つくる前の「デザイン」にこそ注力する。
  • 施策を考える前に、ユーザーの定性定量データの洗い出し。UIデザインをする前に、他所のUIデザインのパターンの洗い出し。
  • 事前の調査さえしっかりしておけば、解決策を考えるのはそう難しいことではない。むしろ調査を怠れば、経験豊富なデザイナーでもまったく見当違いな提案をしてしまう。

3-4.発散と収束を繰り返す

  • 目の前の問題に飛びつかない。課題は何かを洗い出し、本当に取り組むべき課題を検討する。
  • 目の前の解決策に飛びつかない。解決策として何があり得るかを洗い出し、最適な解決策を実施する。
  • アイデアを「発散」するときは紙に書く。みんなが意見を出せるように。
  • アイデアを「発散」させるときも「収束」させるときも、必ず時間を区切ってやる。

3-5.最小の工数で最大の成果を出す。

  • 画面によっては「UIデザイン」の仕事も、既存の画面キャプチャの切り貼りだけで問題なく回る。
  • 常識を疑って、デザイナーの自己満足のような仕事を極力減らす。成果に繋がらない努力はしない。

3-6.ゴールは「つくる」ではなく「価値を届ける」こと

  • ものをつくることが仕事だと思っている人と、ものをつくることが仕事の一部だと理解している人では大きな差がある。前者には目的意識がない。
  • psdやsketchファイルはデザイナーの「(一旦)の完成品」ではあるが、あくまで中間制作物にすぎない。それが実装されてユーザーに届くところまで責任を持つ。
  • 目的が「ファイルの完成」が「ユーザーへの価値提供」どちらに向いているかによって仕事の質が全く変わる。
  • 「UX」だの「リーン」だのに毒されて、ペルソナやCJMなどをつくるだけの人にならないように。ユーザーに価値が届かなければ何の意味もない。

3-7.事業者視点を持つ

  • 利益がでてこその事業であって、ボランティアやアートをしているわけではない。
  • 目の前のプロダクトの良し悪しだけが全てではないことを知る。

4.マインド・モチベーション

4-1.目的を持ち、優先度をつけ、仕事を断る

  • キャパオーバーしてしまう人の共通点は断れないこと。元を辿ると、優先度がつけられないので断れない。これも目的意識の無さからくること。

4-2.デザイナーという肩書はいつでも捨てて良い

  • 「デザイナーだからこれをやる」「デザイナーだからこれはやらない」と、行動をその肩書のイメージの範囲内に制限しない。
  • 事業を成功させるために分業しているだけなので、肩書そのものを目的にしない。

4-3.自分で仕事をつくる

  • やることを人に決めてもらっているうちは楽で、ただそれをこなしているだけで達成感もあるが、受け身でいるうちは歯車でしかなく、代わりがいくらでもいる仕事しかできない

4-4.自分のモチベは自分で上げる

  • 不機嫌な時はわざわざ自分で不機嫌になることに注意を向けている。自分の気分をつくるのは自分が意識を向けるもの次第。
  • 「考え抜いたか、手をつくしたか、本当にやりきったといえるのか」なんて精神論を意識するだけでも、パフォーマンスは変わる。

4-5.絶対唯一の「正解」を求めない

  • 準備が完璧じゃないのは当たり前、情報が揃わないのも当たり前、100%の正解もない。その時その時のベストを考えるしかない。
  • 何が正解かわからないようなこと、むしろ正解がない中で選択をしないといけないことばかりだからこそ、多少強引でも実行に漕ぎ着けて、その後のコミットによって意地でも正解にしていく。

4-6.指摘で終わらず改善まで

  • 問題点を指摘するだけなら誰でもできる。
  • 大事なのは、それが他の問題よりも優先度が高いか、どうしたら改善できるか、そのためには今何をするべきか。そこまで考えた上で、行動に移す。

おわりに

そんなLobiチームでは、共にLobiを良くしてくれるデザイナーを募集しています!

行動指針にピンと来るものがあったというデザイナーさん!

ご応募お待ちしております!

www.kayac.com