こんにちは!
意匠部のおばらです。
今回は、日本最南端のイベント・コワーキングスペース
「チャレンジ石垣島」
https://challenge.kayac-zero.com
のロゴ制作秘話をご紹介します。
(「チャレンジ石垣島」に関しては前回の記事を御覧ください)
制作メンバー
デザイン・アイディア出しに関わったメンバーは以下の3名!
(※年数は制作当時)
- 小原(中途11年目)
- 重見(新卒2年目)
- 鈴木(新卒1年目)
入社間もないメンバーのスキル&経験値UPと一人で進めることでのデザインの偏りを避ける意図で私が声をかけました。3名とも面白プロデュース事業部の意匠部(デザインチーム)の所属です。
ちなみに「面白プロデュース事業部」とは企業や商品のブランディング&プロモーション、リアルイベント、R&Dなどの受託プロジェクトを専門とする部署。カヤックには他に「ゲーム・エンタメ事業部」「eスポーツ事業部」「ちいき資本主義事業部」などがあります。
(このように、いろんな事業に携わるメンバーが一緒に働いている点がカヤックの強みでもあります)
面白プロデュース事業部ではプロジェクトごとに一緒に仕事をするメンバーが変わることが多く、
特に入社1〜2年目の場合はその傾向が顕著です。通常2〜3プロジェクトを並行で進めるため(特に入社直後は)いろんな人と仕事ができます。
「チャレンジ石垣島」ロゴデザインに関わった3名も普段話す機会は多いのですが、実は一緒に仕事をするのは初めてでした。
3人の役割はそれぞれ:
- 小原: アートディレクター&デザイナー
- 重見: デザイナー
- 鈴木: デザイナー
です。
今回はロゴデザイン&提案の経験値UPという目的もあり最初は3人で並列に社内コンペという体で進めることに。資料作成の訓練も兼ねてロゴデザインだけでなく提案資料もセットで提出することとしました。
ちなみにカヤックでは「アートディレクター」「デザイナー」などの役職が組織的に決まっているわけではありません。プロジェクトごとに変わったり変えたりしています。
意匠部は基本的にはデザインの部署ですが
- プランニング&アートディレクションを兼ねるひと
- アートディレクション&テクニカルディレクションを兼ねるひと
- フロント実装もするひと
- デザインに集中するひと
- 3Dモデリングもするひと
- モーションやるひと
などなど、どんなポジションを担うかはプロジェクトや各々のスキル次第です。
ロゴの要件
いよいよロゴデザインの話に入ろうと思います!
まずは最初にヒアリングした要件をまとめてみました。
プロジェクト概要
- 石垣島にコワーキングスペースを作る
- 建築イメージ(どういう建物になるか)はすでになんとなく決まっている
- 島内外の人が働く場所としてだけでなく、島民の交流の場としての機能も持たせたい
- 建物は閉店したホームセンターの跡地を再利用する
建物の名称
- 閉店したホームセンターの名前は「チャレンジ」だった
- 「チャレンジ」は島民に馴染みのある、親しまれたお店だった
- よって、ホームセンターの名前「チャレンジ」をそのまま引き継ぎたい
- 日本語で「チャレンジ」にするか、英語で「Challenge」にするかは迷っている
ロゴのイメージ
- ホームセンター時代の「チャレンジ」ロゴをどこまで踏襲するかは迷っている
- 石垣島由来の色を使ってもいいかも
- 石垣島にこんなすごいところができたんだ!と思ってもらいたい
- あのホームセンター「チャレンジ」が新しく生まれ変わったんだ!と思ってもらいたい
- 夜に光らせたい
このときはまだイメージがぼんやりしている・アイディアを求めている状態でしたが、ある程度任せてもらえる方が個人的にはやりがいがありますね!
方向性を絞り込む
ぼんやりしたイメージを(お互いに)くっきりさせる/解像度を上げるため、最初はあえて幅広い方向性で案を出し、徐々に絞っていく流れで進めました。
何度かに渡り検討・提案したロゴの中からいくつかをご紹介します。
上記画像はあくまでこの記事用にまとめたイメージ画像です。
実際にはこのようなやり取りをリモート会議やSlackで議論しラフスケッチレベルから細かいバリエーション違いまでさらに多くのデザインを検証しています。
デザインツールは特に指定はしませんでしたが、3人とも最終的には Illustrator で仕上げています。
最終要件
何度かの提案を経て、ロゴの要件が以下に絞り込まれました。
- ロゴマークは「チャ」をモチーフとする
- ロゴタイプ(施設名)は日本語で「チャレンジ」とする
- 石垣島付近に生息する魚をイメージした3色を使う
- オジサンレッド(魚 オジサン - Google 検索)
- イラブチャーブルー(魚 イラブチャー - Google 検索)
- マクブイエロー(魚 マクブ - Google 検索)
石垣島には「オジサン」という魚がいるんですね!
「チャ」は鈴木の案が好評だったので、そのアイディアを採用することに。
ここまで要件が絞り込めるとだいぶ作りやすくなります。
次はいよいよ最終提案!
最終提案した2案
それぞれ元となったデザイン案を、作った本人: 小原&鈴木がブラッシュアップ。
とはいえ、この段階では完全に別々にではなく適宜アートディレクションもしながら進めています。
どちらも要件は満たしつつ、それぞれのデザイナーが得意なトーンも生かした2案となりました!
決定案
決定案がこちらです!
最終2案から選んでもらうというよりは、イチオシ案+サブ案という形で提案しました。
「チャ」の語感・字形で親しみやすさを出しつつ全体のデザインはモダン&シャープにし、
地元の方に広く親しまれてきたホームセンター「チャレンジ」がコワーキング&イベントスペースとして新しく生まれ変わったという歴史を表現しています。
ロゴマークは人々の輪が重なり合う場所になってほしいという意味も込め
複数の円を組み合わせたデザインにしました。
参考までに提案資料も載せてみます。
プレゼン資料のため口頭で説明する内容は省きシンプルにまとめています。
展開例は、ロゴが使いやすいかなどの検証の意味合いも兼ねて
- (光らせたいという要望から)ネオンサイン
- 施設内外でのロゴ使用例
- ウェブサイトのトップページ
- ショップカード/Tシャツなどのグッズ
等をPhotoshopで合成し載せています。
実際の使用例
ロゴが実際の施設でどんな風に使われているかというと。。
いろんなところに「チャ」「チャ」「チャ」!
頑張って作った甲斐がありますね笑
いつかこの「チャ」が地元の方や利用者の方に愛されるロゴになればとても嬉しいです!
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
ロゴデザインの進め方は状況次第で最適解が異なるため、あくまで一例としてご覧頂ければと思いますが、それよりも普段私たち意匠部がどんなメンバーでどんな流れで業務を行っているのか、雰囲気だけでも掴んでいただければうれしいです。
「チャレンジ石垣島」制作秘話の第2弾はロゴをファビコンにする話を書こうと思います。
お楽しみに!