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面白法人カヤック デザイナーブログ

もはや執念!?デザイナーが本気の結婚式DIYをしてみた話

みなさんこんにちは!
デザイナーの ザキノンこと野崎です。

いきなりですが、わたくし、今年の5月に結婚式を挙げました。

会社のブログに書く題材としてはいささか個人的すぎる気もしたのですが、
結婚式を挙げるにあたり とにかくこだわったのが、招待状やウェルカムボードなどをはじめとした、いわゆる「結婚式DIYアイテム」。

デザイナーとしてこだわりを詰め込みまくったアイテムたちをいろんな人に見てもらいたい!!!という自己顕示欲には抗うことができず、今こうしてこの記事を書いています。

そもそも、なぜ結婚式を挙げようと思ったのか

私の場合、人から注目されるのもそんなに好きではなく、写真を撮られるのも正直あまり得意ではない。
ただ、人生で一度くらい、予算を気にせずに好きな人たちを呼んで好きな音楽を流しながら美味しいものを食べるパーティーをしてみたい。そしてそれにまつわるアイテムを全部自分でデザインしてみたい、という完全に裏方寄りの気持ちで結婚式を挙げることにしたレアタイプの花嫁です。

今回の記事は、これから結婚式を挙げたいと思っている方、逆に結婚式なんて挙げなくていいやと思っている方、 その他 とりあえず暇を潰したい方など、いろんな方に読んでもらえると嬉しいです!

制作スケジュール

こちらがざっくりとした制作スケジュール。
式の1年前〜半年前くらいの期間で会場の決定や衣装選び、プランナーさんとの初回打ち合わせなどを終え、式の5ヶ月前くらいからアイテムの制作を本格的にスタートさせました。

今回はその内容を時系列ごとにご紹介していこうと思います!

前撮り写真

会場が決まり、衣装が決まり、最初の制作物として取り掛かったのが前撮り写真!

ゲストの皆様へ送る招待状(式の2~3ヶ月前を目安に送る)の中で前撮り写真を使用したかったので、そこに間に合うようにスケジュールを逆算し、式の5ヶ月前である12月頃から準備を開始しました。

我々が撮影をお願いしたのは、下北沢にある撮影スタジオ『mederu wedding』さん。(オシャレすぎ〜〜〜!)

mederu weddingさんは「2人らしい前撮り写真」を大事にされていて、 コンセプト決めからスタートし、その日のためのオリジナルのセットを組んで撮影ができるスタジオです。 前撮り写真っぽさ、結婚式っぽさ、に囚われず、自分たちらしい写真を残したいと思っていた我々にぴったりだ!と思いこちらでの撮影を決めました。

どんな写真を撮りたいか、というイメージや撮影のコンセプトなどはスタジオのアートディレクターさんと話しながら一緒に決めていくスタイル。 「こんな衣装だと可愛いかも!」「こういう小物を持ち込むのもよさそう!」などとわいわい話す時間はとても楽しく、終始胸が高鳴りっぱなしでした。

参考事例を集めてイメージを具体的にしていく

最終的に「2人の未来の理想のおうち」というコンセプトで前撮り写真を撮影することに。
また、「お互いのイメージカラーは?」という質問の中で出た「オレンジ」と「ブルー」をテーマカラーにすることが決定しました。

そして出来上がったセットがこちら。
「ソファの上がついつい物置きになっちゃうんですよね〜🥱」という怠惰な一言からこんなオシャレなセットが出来上がるとは…。

私物の持ち込みも自由だったので、2人の思い出の品や趣味にまつわるものなど、自分たちらしいアイテムを持ち込んでセットの中に組み込んでもらいました。

お揃いのスニーカーや、新婚旅行先のオーストラリアで買った本なども

撮影自体もとっっても楽しかった〜〜〜!
今でも時々前撮り写真を見返してはハッピーな気持ちになっています。

ウェルカムのれん

今回自作したアイテムの中で、ゲストからの反響が一番大きかったのがこちらのウェルカムのれん。

我々が式を挙げた会場である『MOKICHI TRATTORIA』さんが、古民家を移築して作られたイタリアンレストランということもあり、こちらの会場で結婚式を挙げると決めた時から、玄関先にオリジナルののれんを掛けたいと考えていました!

式当日の衣装がウェディングドレス+色打掛(お色直し衣装)に決まっていたため、和洋どちらの衣装にも合うテイストにしたいなという気持ちがあり、西洋のアンティーク的な雰囲気もありつつ、和の紋様のような雰囲気も感じられるデザインを意識して制作しました。

真ん中にはおめでたい日にふさわしい「寿」の文字を入れています。

●こだわりポイント

裏から見た姿が不恰好にならないよう両面にプリントを施しています
今回は予算の都合により、印刷方法としてインクジェットプリントを選んだのですが、のれんはその特性上、退場の際などに裏面もしっかりと見られてしまうもの。
片面印刷にすると、裏から見たときに「プリントしました!」感が出てしまい少々不格好なので、染め抜き風の両面印刷である「昇華転写捺染」という方法を扱っている業者さんに印刷をお願いしました。

また、ベタ面がのっぺりとした印象にならないよう、藍色の部分に全体的にテクスチャを入れ、藍染のような質感を表現しています。

Web招待状

この時期は、のれんの制作と並行して、ゲストの皆様に送る招待状の制作も進めていました。

一応Webデザイナーとしてやらせてもろてますので…ということで、ここは自作のWebサイト作るか〜〜!と気合を入れて作りました。 前述の前撮り写真を使いつつ、アンティーク的な雰囲気のサイトに。 夫の職業がエンジニアということもあって、サーバーを立てるところから始まり、本当にイチからサイト構築を行っています。

とはいえ、夫の本職はサーバー系のインフラエンジニア。HTMLやCSSを使ったコーディングには慣れておらず、無事に完成するのかしないのか…!?という波乱の展開も。しかし夫の友人の助けも借りながら、なんとか期日までに形にすることができました。

紙ではなくWebの招待状にしたことで、ゲストの回答集計などの手間が省けたほか、 式前日にゲストの方々へ席次表を添付したリマインドメールを送信したりすることもできました。

結婚式の招待状としてWeb招待状を利用する方の中には、ご友人へはWeb招待状、親族へは紙の招待状、という送り分けをする方も多いようですが、今回は親族の中にそこまで高齢のゲストがいなかったこともあり、友人・親族ともにWeb招待状を利用しました。
最近は少しずつ増えてきているWeb招待状ですが、親世代のゲストにとっては新鮮だったようで、「お互いの手間も省けるし、分かりやすくていいね!」と大変好評でした。

ペーパーアイテム

ゲストの人数や料理の内容など、式の詳細が決まり始めるといよいよペーパーアイテムの制作が始まります。

①プロフィールブック ペーパーアイテムの中でも特に制作ボリュームが大きかったのはプロフィールブック。

A6サイズ 12ページ(表紙含む)の冊子の中に、ごあいさつや2人のプロフィール、簡単なQ&Aのほか、会場敷地内にある雑貨屋さんやカフェの案内マップなどを入れ、披露宴の開始前やお色直し中などにゲストが退屈にならないように工夫しました。

紙や製本方法にもこだわって制作したのですが、1点失敗したことが…! それは、表紙用の厚紙に濃度の高い色を印刷したことで折り目部分の印刷が少し剥げてしまい、せっかくのミシン綴じがあまり映えない結果になってしまったこと。(もったいないことをした…😭)

②席札/メニュー表

続いては、ゲストの皆様のテーブルに置く席札とメニュー表。
会場のMOKICHI TRATTORIAさんは、酒蔵併設のレストランということもあって、ビールや日本酒をはじめとしたドリンクメニューが非常に豊富。 ということで、ドリンクメニューはプロフィールブックの中に入れ込むのではなく、ゲストが手に取りやすいようにメニュー表として別で用意しました。

テーブルに設置する際、プロフィールブックと席札、そしてメニュー表を一つのセットとして置きたかったので、各アイテムがバラバラにならないよう メニュー表に孔開け加工を施し、そこにタッセル付きの席札をボールチェーンでぶら下げる、といった仕様にしています。 席札の裏面には手書きで各ゲストへのメッセージを。
(裏面のメッセージは気づいてもらえない可能性もあるので、念の為司会者さんからアナウンスを入れてもらうのがおすすめです!)

③ウェルカムボード
ウェルカムボードにはお気に入りの前撮り写真をメインで使いつつ、そこに今回のために作成したロゴを入れることで映画ポスター的な雰囲気に仕上げました。

ボードのサイズはA2サイズ。
下見の際に会場のウェルカムスペースの寸法を測り忘れていたためサイズ感については少し悩んだ部分もあったのですが、結果的に大きすぎず小さすぎずのちょうどいいサイズだったかなと思います🙆‍♀️

④その他

この他にも
・テーブルナンバー
・席次表
・引き出物袋に貼るラベル
・乾杯ドリンク用のラベル
・お見送りの際にゲストにお渡しするプチギフト用のタグ

など、細かいペーパーアイテムも全て自作しています。 式が近づき当日の装飾や流れを改めて確認していると 名もなき制作物が次から次へと湧いて出てくるので、こういった細々としたアイテムに関してはなんだかんだで式の直前まで作り続けていた気がします…。😇


ペーパーアイテム全体を通して、前撮りの時に決めたテーマカラーの「オレンジ」と「ブルー」を使って全体に統一感を出しながらも、賑やかでポップな雰囲気のデザインになるように意識しました。日本の結婚式というよりは、海外のパーティー!💃🕺的なイメージを参考にしています。

結婚証明書

続いてご紹介するのは結婚証明書。 今回我々は人前式(※神に誓う形式の挙式とは違い、参列したゲストが結婚の証人となる)という形式で挙式を行ったため、ゲスト参加型のセレモニーとして、ゲストと一緒に作り上げる結婚証明書を用意しました。

内容としては、こちらで用意したシーグラスや貝殻などのパーツをゲストの皆さんに1人1つずつ選んでもらい、証明書に貼り付けてもらうというもの。

こういったパーツの貼り付けには瞬間接着剤や両面テープなどを使用する場合が多いかと思いますが、 接着剤が乾ききらなかったり、粘着力が重みに耐えられずパーツが落ちてしまうかもしれないという心配が…。

そういったリスクを回避するためにいろいろな素材で検証を重ねた結果、このような磁石式の構造にすることにしました。 貼り付けも簡単で、かつパーツもしっかりとくっついてくれるのでとてもよかったです!

会場装飾

そして最後にご紹介するのが会場装飾です。

会場装飾については、装花を担当してくださるお花屋さんと打ち合わせを行いながら決めていきました。自分の中で「こういう雰囲気にしたい!」というイメージが明確にあったので、参考事例やイメージのイラストなどをお見せしながらの打ち合わせ。

こちらがその際に提出したイメージイラストと、当日のテーブル装花です。

テーブル装飾のうち、テーブルランナー、キャンドル、レモンなどは自分たちで持ち込んでいます

あまりにもイメージ通りの仕上がりだったので、当日会場に足を踏み入れた瞬間テンションが爆上がりしてしまいました…!

打ち合わせの際、こうしたい!というイメージのほかに、この方向性は違うかも…というNG例をいくつか提示することで細かいニュアンスのすり合わせができたのもよかったなと思っています。

装花の希望イメージとNGイメージ

まとめ

以上、私が結婚式を挙げるにあたり制作したDIYアイテムのご紹介でした!

今回の記事に記載したアイテムのほかにも、結婚式の直前には用意しないといけないものや考えないといけないことがたくさんあって、とにかくバタバタな毎日…! しかし、当日ゲストの皆さんから「楽しかった!」「いい式だった!」と言ってもらえて、結婚式を挙げてよかったなとしみじみと感じました。

式に参列してくれたある友人からは「こだわりを超えて執念を感じた」という言葉をかけてもらったのですが、それってデザイナーとしては最高の褒め言葉だなと…! やっぱり魂を込めてものづくりをすることは本当に楽しいし、見ている人にもそれが伝わるんだな〜〜と、デザイナーとしても少し成長できた気がした期間でした。

結婚式に向けて制作を進める中で自分もたくさんの方の結婚式レポートやブログを参考にさせてもらっていたので、この記事が少しでもこれから結婚式を挙げようと思っている方の参考になればとても嬉しく思います💐

長文になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

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