こんにちは!意匠部の越後です。
僕は今ハイパーカジュアルゲームという、超シンプルなゲームを作っています。
この記事では、超シンプルなゲームだからこそ必要な初めて見た人が遊びを理解するスピードを上げるためのテクニックを紹介できればと思います。
ハイパーカジュアルゲームってなに?
とはいえ今回は初回なので、まずは説明から。
おそらく皆さんどこかで目にした事あるんじゃないでしょうか、
InstagramやTikTokでスワイプしていると、たまに出てくるシンプルなゲームの広告。
水を入れ替えたりピンを抜いたりするアレ。あれがハイパーカジュアルゲームです。
ゲームの話なのにいきなり広告?と思われた方もいると思いますが、
実はハイパーカジュアルゲームは広告がめちゃくちゃ重要なビジネス。
30円分の広告でインストールしてくれたお客さんに、
35円分の広告をゲーム内でみてもらえば、差額は5円。
たとえばそれを2000万人が遊んでくれたら、2000万 x 5円 = 1億円
そんな究極の薄利多売な業界だからです。
(実際はもっと薄利多売。5円も利益が出ることは稀。)
しかも、広告が出るタイミングは大抵別のコンテンツを楽しんでいる時で、
大抵の広告は5秒でスキップできちゃいます。
なので
「たった5秒で、今触れているコンテンツよりも面白そうだと思ってもらえないと勝てない」
という、
瞬間的な理解が勝負を分ける世界なんです。
瞬間的にゲームルールがわかるための工夫
そこでデザイナーの腕のみせどころが、
「瞬間的に理解できる1:1関係のモチーフ選び」です。
たとえばカヤックのPark Masterというアプリは、
車から線を引いて、それぞれ衝突しないように駐車場に停めるゲームなのですが、
パッとみただけで「車」と「駐車場」= 「停めるゲーム」だな、という
1:1の関係が成り立っているわけです。
この二つを使って瞬間的に別のことを思いつく人は、かなり少ないはず。
ところがコレが、
「車」と「人」で「人を迎えに行くゲーム」にしたとしましょう。
すると
画像のように、
どんどん別の可能性が想像されて伝わりにくくなってしまいます。
とても5秒ではゲームを理解してもらえません。
ゲームでやらせたい行動を想起させるモチーフを選ぶことはまず必須。
重要なのは「それ以外の行動を想起させない」事です。
と言ったように、他にも色々なテクニックがあるので、
少しずつこのBlogでお伝えできればなと思います。
作ったデザインはデータで思いっきり評価される!
さて、ハイパーカジュアルゲームを作る上で面白い点が、「徹底的にデータドリブンで物事が進む」ところです。一般的なプロダクト開発でもユーザーの反応を見てアプデの良し悪しを判断していくのは一般的ですが、ハイパーカジュアルゲームではその規模が違います。
なんと言っても圧倒的な薄利多売で広告出稿をしまくるので、
それこそ全米TOP10に入った日には1日に10万人もの新規ユーザーが来ることもあり
ABテストの結果も1日2日でだいたい決着がついてしまいます。
また、ゲームルールをガラっと変えたモードのテストなど一般的なアプリ開発ではテストに回しづらい項目も、膨大な新規ユーザー量のおかげで全て結果となって判断することができます。
自分は広告もアプリ開発もソシャゲ運用もやってきましたが、こんなにダイナミックなスピード感でABテストが行われる現場はハイパーカジュアル以外知りません。ハイパーカジュアルゲームの世界はビジネスの情報は比較的充実していますが、デザイン観点の話はあまり見かけないので、この連載で少しづつ魅力を伝えられたらなと思います。
ハイパーカジュアルゲーム作ってみたいデザイナー募集!
もし、この記事をご覧になって「ちょっとやってみたいな!」「世界を対象にデザインしてみたい!」と気になった方がいらっしゃいましたら、ぜひこちらからエントリーお願いします!!