意匠部

面白法人カヤック デザイナーブログ

カプセルトイ愛が高じて自分たちで作った話

はじめまして、カヤック意匠部に所属する6年目のべーやんこと河邉です。 私は美術大学卒業後デザイナーとして入社し、2年目からプランナーを勉強して、現在はデザイナーとプランナーの二足のわらじで働いています。

私は新卒でカヤックに入社したので、あまり他の会社のことを知っているわけではありませんが、友人や中途入社の方によく言われるカヤック特徴としては、

「愛がとても重要視される」

という点が挙げられると思います。

本日は、私が愛するカプセルトイにまつわるお仕事を紹介させていただければと思います。

カプセルトイ好きの社会人

私は幼少期から人並みにカプセルトイは好きだったのですが、その頃はたまのお出かけの際に一回だけ回させてくれる、というものでした。 その反動か、社会人になり自分で自由に使えるお金を手にしたことでカプセルトイ熱が爆発し、立派なカプセルトイ好きになってしまいました。 第四次カプセルトイブームも相まって大型店舗なども増えたことで、大型店舗に行った際は妻と二人で1万円以上使ってしまうことも。

そんなとき、同じくカプセルトイ好きのコピーライター日野原さんを中心にカプセルトイをつくろう!という動きを耳にしました。 そう、彼もまた愛の人なのです。 私は迷わず手を挙げました。我もカプセルトイを愛する者であると。

カプセルトイユニット「まる部」

カプセルトイユニット「まる部」メインロゴ

そうして、アートフィギュア・玩具などの製造・販売を行うスタジオソータさんとカヤックによるカプセルトイユニットの 仲間に入れていただきました。

その後ユニット名が決まり、「まる部」としてX(当時Twitter)アカウント開設。 「まる部」というユニット名は、カプセルの形状を表しているだけでなく、曲線のようにやわらかい頭で考える、という意味合いも込められています。

私はそのユニットのロゴデザインをさせていただきました。

まる部ロゴバリエーション

カプセルを思わせる円形をもとに、遊び心とアイデアのあるロゴを目指し制作いたしました。 また、様々な商品を生み出すことを見据え、色やあしらいなどは商品に合わせて変更できるよう、レギュレーションをできるだけ設けず、汎用性の高いロゴとなっております。

まる部では、スタジオソータが誇る高い造形力に、カヤックならではの発想力を掛け合わせ、ハイクオリティで面白いカプセルトイを生み出すことを信条に掲げています。また、部活のように、誰でも参加できるオープンなユニットを目指しており、商品企画もカプセルトイ好きなさまざまなカヤック社員が行っています。

【第一弾】リアルな造形にこだわった「お通し」

【第一弾】リアルな造形にこだわった「お通し」
私が参加したときには第一弾の「お通し」発売に向けてモック制作が進んでいました。ソータさんの造形師の方が作ってくださったモックを元に、カヤック呑兵衛代表りこまるさんを中心に、みんなでどうしたらもっとリアルに美味しそうに見えるか?どんなお皿に乗っているのだろう?などと、ときには実際に居酒屋に足を運びながら、商品開発をしていました。

私はそのDP(筐体に貼ってあるメインビジュアル)やカプセル内に同封されている冊子のデザインを担当。 商品のクオリティが売りのため、できるだけシンプルに世界観と商品写真を見せるように構成しました。

私自身もお酒や居酒屋料理が大好きで、そんな人達が思わずお酒を飲みたくなるようなデザインを目指しました。 居酒屋の雰囲気の表現や、より美味しそうに見えるようカメラマンさんと共に写真撮影の方法にもこだわりました。

お通し「明太子」
お通し「冷奴」

こちらが発売されると、いつもお世話になっている居酒屋さんのカウンターに飾っていただけたことも嬉しかったですね。

りこまるさん行きつけの居酒屋さんのカウンター

【第二弾】躍動感あふれる指輪「プロレス・リング」

【第二弾】躍動感あふれる指輪「プロレス・リング

第二弾では「プロレス・リング」という商品を発売。 プロレスの四角いリングが、指にはめられるリング(指輪)に変身したカプセルトイです。発案者のバスチさんはダジャレが得意な現役ミュージシャン。現在ではJ-WAVE(81.3FM)で『GRAND MARQUEE』という番組でナビゲーターを担当しているマルチクリエーターの方です。

かなり小さなサイズでの表現になるため、技の躍動感の表現や身体の重なり、筋肉など、こだわり溢れるソータさんの造形師さん渾身の出来となっています。

世界三大バックブリーカーのひとつ、アルゼンチン・バックブリーカー

こちらも私はビジュアルデザイン面を担当し、DPと冊子を作成しました。

プロレスカルチャーを研究し、どうしたらプロレスファンの方に響くデザインになるか、試行錯誤しました。 ロゴもプロレスの持つ力強さや無骨さなどを意識し作字しました。

また、本物のプロレスリングのような強いライティングを表現し、商品を魅力的に見せるため撮影もかなりこだわりました。

こちらはプロレスラーの丸藤正道選手にも回していただきとても感動いたしました!

地域密着型カプセルトイ専門店「御成カプセル」

地域密着型カプセルトイ専門店「御成カプセル」

この頃、カヤック鎌倉オフィスのすぐ近くに空きテナントが見つかり、弊社代表取締役やなさんとまる部顧問でクリエイティブディレクターの阿部さん、私の同期であるおーじゃんを中心にカプセルトイショップを立ち上げようという話がありました。 すでにカヤックで「カプセルトイ好きデザイナーと言ったらべーやん」という地位を恣にしていた私はこちらの店舗のアートディレクションも担当させていただきました。

ロゴは、カプセルを開ける瞬間のワクワクと緊張感をシンプルな図形で表現し、鎌倉らしい伝統的且つ洗練された雰囲気を目指しました。

店舗デザインは建築家の方と様々なアイデアを出し合い、狭い空間の中にそうは感じさせない仕掛けや、カプセルを使った仕掛けも盛り込んでいます。

また、webページは優秀な後輩、ベルにデザイン担当していただき、一緒に可愛らしいサイトを作成しました。

その時のお話は以前の意匠部ブログでご紹介していますので合わせてご覧いただければと思います。

designblog.kayac.com

鎌倉西口を出て御成通りを南下すると現れる大きなカプセルのオブジェが目印。 鎌倉にお越しの際はぜひ立ち寄ってみてください! おーじゃんを中心に研究を重ね選りすぐられた人気カプセルトイの他にも、 まる部の商品や御成カプセルオリジナル商品も発売中です!

【第三弾】推しの神々しさ極まる「推し後光」

【第三弾】推しの神々しさ極まる「推し後光」

そしてそして、現在大好評発売中の推し後光です。 こちらは私が企画立案、そしてアートディレクションを担当させていただきました。

もともと、鎌倉の神社仏閣が好きでたくさんの仏像を目にする中でその後光に興味を持ったことがきっかけでした。 技術が進んだ現代に生きる私達から見てもその迫力や荘厳さは圧巻で、この時代にこんなすごいものをつくったのかと、クリエーターとしての大先輩たちの作品にとても感動しました。 当時の人々の心の拠り所として建立するにあたり、最高の技術の粋を集め最高の威光が表現されています。

現代を生きる私にとってそのような存在はなんだろう?と考え、ふと自宅を見渡すと、

居ました。

推しです。

私の推しについては長くなるので割愛いたしますが、空前の推し活ブームの現代において、多くの人に推しが居て、みな推しを崇めながら日々力強く生きているのではないでしょうか。

そんな私を含めた推し活動家のみなさんの、推しを崇めるためのアイテムを作りたい!と思い企画させていただきました。

私のイメージデザインからソータの造形師さんが3Dモデルを制作してくださり、限られたサイズの中で最大限神々しさを表現してくださりました。 また、カプセルの中に入るよう、分割の仕方と強度についても試行錯誤を重ねてくださり、現在の機構が完成しました。 さらに、後光の台座についても、様々な推しに合わせられるよう高さが調節できるものを設計してくださりました。

そんな商品のサンプルがこちら。

オビツ製作所さまに素体をご提供いただき、サンプルで遊んでみました。

いい!!

ほしい!!!!

これは絶対売れるぞ!とテンション爆上がりでメンバーと遊びました。

そして商品情報解禁と同時に万バズを記録!

数々のメディアに取り上げていただくことができ、 心待ちにしてくださるたくさんの方の言葉をいただきました。

そんなみなさんに、少しでも最高なものをお届けするべく最終調整。

色サンプルを元に最終的な色校正を何度も重ね、商品ができあがりました。

度重なる商品の色校正

生産工場さんと念密な連携をとり、ソータさんが試行錯誤を重ねてくださりついに商品が完成!

10月26日より、まる部のカプセルトイ「推し後光」が順次全国に並んでおります。

そして我らが「御成カプセル」にも商品が入荷!

早くも売り切れ続出、わざわざ何店舗も探し回ってくださる方や、全種コンプリートし、様々な遊び方をしてくださっている方がたくさんいるとのことです。

まさに嬉しい悲鳴。。。

みなさんの推し活のお手伝いが出来たようでとても嬉しいです。

#推し後光」でぜひ皆さん検索して、たくさんの方の神々しい推しの姿を見てみてください!

また、まる部公式Xアカウントではみなさまが遊んでくれた写真や投稿も紹介しております。

まる部【カプセルトイユニット】 (@marubu_capsule) / X

この記事を読んでくださったみなさんも、見かけた際はぜひ回してみてください!

愛するものを仕事にする

今回は私が愛するカプセルトイをお仕事としてカヤックで作ったお話をさせていただきました。 愛ゆえに少々長くなってしまいましたが、私がお伝えしたかったことは、

みんな愛が高じて仕事をしているということです。

愛ある人がつくり、愛ある人の意見は尊重され、 愛を公言している人のもとには愛する仕事のチャンスが訪れる。

私はカプセルトイ以外にも、アイドルや漫画、オモチャなど、たくさんの愛を公言し、お仕事をさせていただいてきました。 それらのお話もまた機会がありましたらさせていただこうと思います。

愛するものを仕事にしたい人、待ってます!

カヤックで一緒に

愛する仕事をしましょう!

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一緒に働く仲間を募集しています

アートディレクターデザイナーデザインエンジニアグラフィッカーイラストレーター他